あなたは外壁塗装が、どのような順番で施工するのかわかりますか?
「業者に任せているから、知らなくても大丈夫。」
もしこのような考えだとすると、危険です。今行っている作業がかわからないと、誤魔化されていてもわからないからです。
本来であれば塗装後10年は保つのに、2年もしないで塗装が剥がれるかもしれません。大事なお金を支払って外壁塗装をするのですから、何をするのか知ったほうが良いでしょう。大丈夫、学校の勉強よりもずっとカンタンです。大金を出すのですからすぐに覚えられますよ。
外壁塗装の出来によって15年の耐用年数が7年になる場合もあります。せっかくお金を出して直す(塗替えする)のですから、少しでも予備知識を入れて騙されないようにしましょう。
外壁塗装の内容は大体下記のようになります。
- 足場組立
- 外壁と屋根の高圧洗浄
- 塗りに入る前の養生・マスキングと下準備
- サビ止め、下地調整
- 下塗り(下地強化剤)
- 中塗り
- 上塗り
- 屋根の下塗り
- 屋根の中塗り
- 屋根の上塗り
- 検品・足場撤去
足場組立
この作業はとてもわかりやすいので、説明するまでもないのですが、作業に必要な足場を組み立てます。
安全に効率的に外壁工事を行うために、必要な作業です。足場がないと職人も技術を存分に発揮できません。
足場の組立と同時に洗浄水や塗料が飛散しないよう塗料飛散防止ネットの張り付けもあります。このネットは高所作業時の恐怖感を軽減する意味もあります。
この作業は大体1日~2日くらいかかります。
外壁と屋根の高圧洗浄
塗装する外壁と屋根についた汚れやホコリ、カビ、鳥のフンなどを高圧洗浄水を使って洗い流します。水に圧がかかっており、回転しながら放水します。大体35坪の家で半日、屋根と外壁を合わせると1日の作業日数がかかります。
塗りに入る前の養生・マスキング
塗装をしない部分や場所をカバーする意味があります。家の周辺設備や、車、塀、庭の木々などは養生シートで覆います。窓は塗装しないので、しっかりとビニールで覆い、マスキングテープで取れないように貼り付けます。かかる日数は半日~1日です。
錆止め、下地調整
戸袋、破風、雨戸、樋持ちなどの鉄部分に錆止めを施します。塗料を塗るとわからなくなりますが、この錆止めを塗るか塗らないかで耐用年数が変わってきます。
下地調整は、外壁塗装の中でも基礎を作る(整える)意味でとても重要な作業です。実は外壁塗装のトラブルの80%がこの下地調整の不備からきています。
具体的にはひび割れた壁の補修、剥がれてきたシーリング材を取り除き補充します。かかる日数は半日~1日です。
下塗り
外壁塗装は基本3回行いますが(躯体によっては4回)、一番最初に壁面に塗る塗料です。中塗り、上塗り塗料をしっかり付着させる意味と強度を増す意味でも下地強化剤を塗るんですね。これが通称の下塗りになります。下地調整が終了し、白や透明な色を塗り始めたときは、下塗りが始まった合図です。かかる日数は1日です。
中塗り
下塗りがしっかりと乾いたら、中塗りを行います。上塗りという仕上げの前に行う塗装です。刷毛(ローラー)で塗り残しがないように作業します。下塗り、中塗り、上塗りと色を変えることで業者の誤魔化しを防ぐことができます。実はこの3回めの上塗りをしない業者が多く、材料、人件費、工期(工事日数)を少なくしてお金を浮かそうとするので注意が必要です。
かかる日数は1日です。
上塗り
上塗りは、外壁塗装の仕上げになります。見た目はもちろん耐久性を向上させる塗装です。この塗装を丁寧に行うと紫外線や酸性雨の影響を受けにくい塗膜ができあがります。
屋根の塗装も下塗り、中塗り、上塗りの3回を行い仕上げます。かかる日数は1日です。塗装自体はかかる日数は1日ですが、それぞれの塗りの間にしっかりと乾燥させる時間も必要になります。そのため、塗装の全工程が3日間で終わるわけではないと言うことは理解しておいてください。
確認・足場撤去
外壁塗装、屋根塗装が終了したら、壁面の仕上がりを確認します。ここであなたが塗装で塗り残しがある等、気になった部分を伝えて下さい。ほとんどの場合塗り残しが気になる事はないはずですが、きちんとした業者も人間ですから見落としもあるかもしれませんので。
問題がなければ養生と足場の撤去、清掃、材料の廃棄処理を行います。引き渡しをして工事完了となります。
全体的な工事日数は、平均的な35坪の戸建の場合、外壁塗装、屋根塗装、塗料の乾燥日、工事休日を入れて10日から18日くらいになります。